「お金・相場に関する幸福否定 7:相場における異常行動・心因性症状②:最低限の知識についての勉強ができない

* 用語説明 *

幸福否定理論:心理療法家の笠原敏雄先生が提唱。心因性症状は、自らの幸福や進歩を否定するためにつくられるという説。娯楽は難なくできるのに、自らの成長を伴う勉強や創造活動に取り組もうとすると、眠気、他の事をやりたくなる、だるさ、その他心因性症状が出現して進歩を妨げる。このような仕組みが特定の人ではなく人類にあまねく存在するという。

抵抗:幸福否定理論で使う”抵抗”は通常の嫌な事に対する”抵抗”ではなく、許容範囲を超える幸福、自らの成長・進歩に対する抵抗という意味で使われている。

反応:抵抗に直面した時に出現する一過性の症状。例えば勉強しようとすると眠くなる、頭痛がする、など

相場:(本稿で扱う意味)
実物・現物・直物取引ではなく、市場における価格変動によって生じる差額で利益を得ようとする投機的取引。(goo国語辞典)



*指標としての反応の使い方の違いのまとめ*

・個人の抵抗が強い領域
個人としては自分の反応を追い、抵抗がなくなった部分を意識上で理解できた部分を形にしていく。

・専門家の抵抗が強い領域
(どの分野でも)ある程度、専門性がある人の集団においては、専門家の中で、不自然に避けられている部分の反応を探る。例えば、当然検証されるべき事が、専門家の著書や論文、インターネット上で全く見当たらない、など。この場合、該当部分を専門家を相手に話をすれば、反応(あくび、眠気など)が出る事が多い。

・専門家、一般人の分け隔てなく全体的に抵抗が強い領域
専門家、一般人の区別なく全体に抵抗があるように思われる事に関しては、個別の反応の調査の積み重ねでは限界があるため、並行して、本稿においての”お金を稼ぐために莫大な時間を使うにも関わらず、多くの人がお金とは何かを知らない”など、明らかにおかしい点を抽出しながら比較検証の精度を高めていく。


=お金に関する基礎的な知識に関する勉強ができない=

前回は、相場に関する反応として、

①最低限の知識についての勉強ができない
②自分のやり方を確立できない
③自分のやり方を確立しても、その通りに行動できない
④自分のやり方通りにポジションを取っても、精神的に不安定になる。やめてしまう。
⑤自分のやり方を確立し、その通りに行動し、成功した後、ルールが通用しなくなり資金をなくしてしまう。

という段階に分けて、簡単に例を挙げてみました。

今回は、

①最低限の知識についての勉強ができない

という点について考えてみたいと思います。

具体的には、

*お金に関する基礎的な知識
*相場に関する基礎的な知識

に関する勉強が(心因性の症状として)手につかない人が多い、という点の検証を進める事になりますが、その前に、世界の資産運用の実態を見てみたいと思います。

2019年8月29日付発表の日本銀行の「資金循環の日米欧比較」によると、家計の金融資産構成は、

・日本(1835兆円)

預金・現金 53.3%
保険・年金・定型保証 28.8%
株式等 10.0%
投資信託 3.9%
債務証券 1.3%
その他   3%

・米国(88.9兆ドル)

現金・預金 12.9%
保険・年金・定型保証 31.7%
株式等 34.3%
投資信託 12.0%
債務証券 6.5%
その他  2.7%

・ユーロエリア(24.5兆ユーロ)

現金・預金 34.0%
保険・年金・定型保証 34.0%
株式等 18.8%
投資信託 8.8%
債務証券 2.3%
その他   2.2%

となっています。

保険・年金・定型保証は貯蓄に近いので、実質的には日本では、約8割強、米国では約4割~5割、ユーロ圏では約7割弱のお金が貯蓄にまわっている事になります。

また、米国は一見すると投資に積極的なように見えますが、上位1%の資産が中流階級の合計資産と同程度の国なので、”国民全体が、金融リテラシーが高く、お金の事についてよく理解している”とは言い難いと考えています。

上記のデータを見ると、

・日本人だけではなく、世界的にも一般人は貯蓄傾向が強い

・米国においては、投資を推奨する環境はあるが、中流階級、低所得者層がほとんど勉強せずに資産運用を行い、結果として格差が広がっている

という事が言えると思います。

“資産運用も勉強をしなければ、リスクがある”という事は当然ですが、では、”現金を銀行預金で持ち続ければ安全”という考え方は、正しいのでしょうか?

結論から言うと、不換紙幣の価値が下がり続けるという視点から見ると、完全に間違っています。

特にデフレが長く続く日本では、30~40年前と同じ値段で物が買えるので、”搾取されている”という感覚はないかもしれませんが、中央銀行、民間銀行の信用創造による不換紙幣の過剰発行、政府債務の増加は、歴史的にはインフレ、増税、累積債務による社会の硬直化、最悪の場合は戦争という形で次世代への負担になります。

何もわからない状態で投資を始めるよりは、(損失を出さないという意味で)現金や預金のほうが安全”という事は言えるかもしれませんが、残念ながら、”現金・預金は安全”という考え方では、一生搾取され続けるという事になってしまいます。

第2回、第3回の通貨発行の仕組み(信用創造)に関する文章で、”お金は誰がどのようにしてつくっているのか?”という問題について書きました。

米ドル、ユーロ、日本円などのいわゆる決済に使われる不換紙幣は、帳簿上で”無”から創り出す事ができ、長期では常に価値が下がるという本質を知っていれば、現金の信用がこれだけ高いという結果にはならないでしょう。

人生の大半の時間を”お金”を得る事に費やすにも関わらず、”お金がとは何か?”を知らない、調べようとしない、という事と、通貨発行の仕組みを説明すると反応が出る、という点を考えても、”お金とは何か?”を知る事に強い抵抗が働いていると考えて良さそうです。


=相場に関する基本的な勉強ができない=

次に、相場に関する基本的な勉強ができないという問題について、大きく

①相場に関する基礎知識を知らないで、投資、投機、資産運用などを始める
②相場チャートや、”値”を見ただけで、反応が出る人が多い

の二点に分けて解説したいと思います。

①については、

・運用利回りや複利についての基本的知識がない
・投資、投機、資産運用は”自分で勉強して、自己責任で行うもの”という当たり前の認識がない
・証券会社に関する知識がない(相対取引の知識がないため、営業の勧めるまま投資信託を買う、など)
・その他、基本的な事を知らない(先物、空売りなどの意味を知らない)

という人が大多数を占めるという事実があります。

私自身の周辺に関しては、私が政治経済学部卒、知人にも経済学部、商学部卒が多く、また親族の大半が金融関係に勤めている環境にあります。知人、親族合わせて、十数人に聞いた限りでは、通貨発行の仕組みを知っていたのは1名です。

また、ほぼ全員、株、もしくはFXのどちらかには少々手を出した事があるという様子でしたが、相場に関する基本的な知識がある人は数人、きちんと勉強して、安定的に資産を増やしている人は1人もいませんでした。“損したからやめた”という話ばかりで、身近がところで調べてみても、投資・投機に関しては9割以上の人が損失を出すという結果が出ます。

一方で、企業型拠出年金に関しては、日本では、令和2年の時点で700万人以上の加入者がいます。こちらに関しては、私が友人に聞いた限りでは、年齢にもよりますが、大半がある程度の利益を出しているようです。

自己責任で行う相場と、企業型拠出年金で行う資産運用で、これだけ結果が違うという点については、後ほど検証したいと思います。

次に、②相場チャートや、”値”を見ただけで反応が出る人が多いという点については、大規模な人数で実態を調べる事は難しいのですが、経験上、大多数の相場参加者がチャートや値を見る事、分析する事に抵抗があると推測しています。

以下、私自身と、調査に協力してくれた方の反応の具体例になります。チャートや月足始値を実際に見ながら反応を調べる調査に協力してくれたのは5名で、

通貨:ドル/円、ユーロ/ドル、ドル/人民元
株式:各国株式市場の指数
コモディティ:金、銀、銅、プラチナ、パラジウム/ドル、原油
債券:アメリカ国債(10年)/ドル、日本国債
仮想通貨:ビットコイン、イーサリアム、リップル/ドル

などを中心に調査を行っています。


=調査結果=

・私自身
ロウソク足のパターンの勉強(寝る前に30分ほど)で寝付けなくなる。チャート分析時に、手につかない、頭痛、だるさ、凝り、など。チャートよりも月足始値のほうが反応が強い。特に金/米ドルで強いだるさが出る。
弱い反応は、銅/ドル、米国債、ドル/円。また、米国のセクター別では、銀行株のETFチャートで反応あり。原油や株価、仮想通貨などは現時点(2020年まで)では反応なし。

2017年より、抵抗に当たり続け、現在では反応はかなり弱くなっている。

Aさん・・・投資家、50代男性
元は先物取引のディーラー。ドル円を専門に、著書も出版し、評価も高い。
頭痛の反応がでる。

Bさん・・・流通業、40代男性
チャート、月足始値でだるさ、強い眠気。特に、ビットコイン/金のチャートで強い反応が出る。分析をした翌日、だるさ、頭痛、頭が働かない、仕事のミスが多い。

Cさん・・・金融業、70代男性
約50年金融業で勤め、運用もしていたが(恐らく国債中心)、自身の株取引では、日本のいわゆる潰れない企業の株式を中心に保有し、損失を出している。チャートの分析や、全体の動きとの相関関係の勉強は基本的にやらない。

Dさん・・・海外勤務、物流業、40代男性
海外在中で企業に勤めながら、不動産所有。会計士の国際資格の勉強をしているが、複利の勉強で反応あり。現在の仕事に関係している、原油価格が最も強い反応あり。貴金属は、金、銀、銅、パラジウム、プラチナを調べ、銅が集中し辛く、金は見ていられたが、音が気になり、音声調節をしていた。(筆者注:恐らく注意が逸れる、反応だと思われる)

Eさん・・・金融業、投資ファンド勤務経験あり、40代
マーケットにおいて、数パーセントのリターンを安定して出すのは、専門家でも難しいという経験から、積極的な資産運用は行わない。

Fさん・・・金融業、50代女性
金融関係に長年勤める。簿記がわからない、円高、円安がどちらかわからない。相場チャートや、月足始値を見ているだけで、反応あり。金、銀の反応が強い。

Gさん・・・治療家、40代男性
信用創造と、複利を扱った本連載、第2回、第3回、第4回の内容が頭に入らない。電話で口頭で説明すると、強い眠気、寝てしまう。相場チャートの反応の調査に協力をしてくれる。全般的に眠気の反応が出るが、プラチナ/ドルの月足始値を見るだけで、最も強く、その次に金/ドル、銅/ドルの月足始値が強い。

Hさん・・・治療家、70代男性
通貨発行の仕組みの話が頭に入らない。その他、基本的な説明が頭に入らない。例えば、現物、先物、ETFなど。相場の話をすると会話が聞きとれなくなる反応が出るので、会話中に何度も聞き返される。金は通貨としての機能もある、という点を説明すると、特に強い反応が出る。

Iさん・・・保険会社勤務、男性
金、銀、銅、プラチナ、パラジウムの始値の反応を調べた結果、金と銅で反応が出る。金とドルの関係(不換紙幣)の説明を聞いたが、頭に入らない。

抵抗に直面した時にでる反応(心因性症状)としては、


・勉強が手につかない(他の事を始めてしまう)
・頭痛、だるさ、眠気、疲労、凝り、その他の症状

などが、比較的よく出る症状と言えます。

また、調べた限りでは、

・チャートに関しては、ラインチャートよりロウソク足チャートのほうが抵抗が強い

という傾向もはっきりとしています。


=相場に関する抵抗の原因は何か?=

このように、相場の基本的な勉強やチャートを見るだけで、反応が出る人が多いというのは、

・自分の周辺調査9名(プロ投資家1名、金融業4名、物流業2名、治療家2名)において、1名のプロの個人投資家を除き、勉強せずにトレードをやっている事が確認ができた。

・5名の協力者において、全員、相場チャートもしくは、値で反応が出る事が確認できた。
という調査結果と、”相場は9割以上負ける”と言われている事実を考えても、妥当であると考えています。

次に、反応の原因を探る段階で出てくる問題点を簡単に書いてみたいと思います。

相場チャートや、値に関する反応は、個別調査を重ねれば、科学的方法論で”相場チャートや、値を見ているだけで反応が出る”という証明ができます。

しかし、”なぜ反応が出るのか?”を探るという目的になると、個別調査の積み重ねでは、

・個人差がある
・自分自身の周辺で調査を行うと、偏りが大きい
・不明瞭化の問題がある

という点で、難しいと考えています。

ここで、反応の不明瞭化について、説明しておきたいと思います。

*反応の不明瞭化

抵抗が強い領域が対象になると、反応を出したり出さなかったりと、結果が安定しなくなってしまう事があります。

この場合は、何度か繰り返せば、反応の出現の仕方は安定してきますが、更に反応が強い領域になると、反応を出さないという操作が働きます。

芸術作品で出る反応(スタンダール症候群)を研究した時に、龍安寺の石庭を題材として取り上げた事がありました。

龍安寺の石庭は、庭正面から庭の中央を中心に見ると、反応が出る人が多いのですが、斜めの角度から見ると反応はほとんど出ません。

また、実際に龍安寺の石庭を見ている観光客を観察したところ、同行者と会話をしたり、石の数を数えたり、無意識的に石庭の鑑賞を回避し、他の事に集中している観光客が圧倒的に多い事に気が付きました。

仮に”龍安寺の石庭を実際に訪れて、反応(眠気、だるさ、その他の症状)が出たか?”とアンケートを取ったら、9割以上の人は”出なかった”と答えると推測できます。(修学旅行生がよく訪れる場所ですが、クラスの1割でも体調が悪くなる生徒が出るようでは、修学旅行の行き先としては成り立たなくなります。)

逆に、私が行った、”龍安寺の正面写真から、正面を中心に観る”というやり方だと、7割以上の人に反応が出ます。

次に、”鑑賞の方法をしっかり指定すれば、正確に反応が出るのか?”という点についてですが、この時も、”被験者が集中できずに、反応を出さない”、または“反応を消してしまう”という、更に高度な反応が出てしまいます。

目線はポイントを見ているつもりでも、全く違う事を考えていて、意識が完全にそれる状態にするという、操作が働きます。

以上の事から、

・ある程度のところまでは、対象(本稿では相場)に関して、全体の抵抗を探る指標として、何人かの反応を総合的に見る事によって、指標として利用できる。しかし、この方法には限界があり、一定の線を超えると”反応を出さない”という操作も含め、不明瞭化が強くなるので、指標としては使えない。そのため、反応は着眼点として利用し、その先は、対象の比較検討を中心とする。

・自分自身の抵抗が弱まると、対象(相場)の見え方が変わってくる。また、比較検討の水準も上がってくるため、検証の過程を、人を選んで(関心がある人に限る。嫌がる人にはやらない)話をしてみる。この場合、相手にあくび、眠気などの反応が出る事があるので、相手の反応が参考になる事がある。但し、抵抗があることが確認できるだけで、話の結論が正しいという事にはならない。

という点に留意し、段階によって反応の使い方を変えながら、検証していく方法論を取りたいと思います。

以上、方法論について簡単に説明しましたが、それらを踏まえて、現段階で”相場チャートや値の反応の原因”として想定している要因について書いてみたいと思います。


=想定している相場データに関する抵抗の原因=

まず、相場以外の分野にも共通する原因として、

①一次資料に対する抵抗が強い(相場だけではなく、他の分野も含む)
という点が挙げられます。

次に、相場の内容に関する反応(なぜ相場の反応が強いのか?)に関しては、

②お金に対する抵抗(経済的余裕、自由)
③自分の頭で物事を考える、主体性という問題
④世の中の仕組みを知る”という事に対する抵抗

という要因を想定しています。


*一次資料に関する抵抗

まず、一次資料に対する抵抗が強いという点から、簡単に解説したいと思います。

この点に関しては、相場チャートに限らず、学問全般、ジャーナリズムなど、幅広い分野で同様の現象が確認できます。

学問に関して言えば、哲学を例に挙げると、解説本よりも著書、翻訳本よりも原書のほうが抵抗が強くなります。これは、著者の言いたい事が、翻訳や解説本における簡略化によって、歪曲されてしまう事が必然的に起こる事が原因と考えられます。

また、あくまで”データに妥当性があれば”(注1)という前提になりますが、基本的には数字データは、解釈を挟まない一次データとなるので、抵抗が強い人の割合は大きくなります。

例えば、会計分野においては、国家の財政状態や、企業の経営状態に関しても、新聞や専門誌の記事を熱心に読む(最近だと、Youtubeの関連動画を見る)事と、バランスシートの検証を自分自身で行う事では、意味合いが違ってきます。

相場チャートや値の検証も、例えば”NY市場、下落。米中関係悪化を懸念”(ほとんどの場合、理由付けは適当に行われる)という新聞記事を読む事よりも、相場チャートや値という一次データをもとに、理屈に合わない動きをする相場の関連性を考え、報道されている内容とは全く異なる関連性を探す作業を進める事は、必然的に新聞記事や経済誌の解説記事を読む事よりも、抵抗が強くなることが推測できます。


*相場において、どのような側面で反応が出るのか?

次に、相場のどのような側面で反応が出るのか?という問題について、考えてみたいと思います。この点に関しては、本稿では、現段階での推測している内容について触れるのみに留めておきたいと思います。

①お金に対する抵抗(経済的余裕、自由)

私自身、”相場に関して、多くの人が抵抗がある”という事に関しては、10年以上前に気が付いていましたが、反応の原因は、経済的余裕、自由な生活に対する抵抗と考えていました。

もちろん、ビジネスの成功や相続などで経済的な余裕ができた途端に、自滅的な生活になってしまう人もいるので、“経済的余裕”という幸福否定の要因も抜きがたく存在します。

しかし、検証を進めるにつれ、相場に関する抵抗の原因は、”経済的余裕”だけでは説明できないと感じるようになりました。

まず、

・経済的余裕があっても、相場に対する抵抗は強い

という点が挙げられます。

相場に関する抵抗の原因が“経済的余裕“であれば、資産がある年金生活者が、遊び金でやる分には、抵抗には直面しない事になり、よい暇つぶしにもなるため、利益を出す率が上がるはずですが、実際には損失を出している人が多いように感じます。

同様に、給与所得が高い層や、まとまった金額の相続があった人についても、ある程度の経済的余裕がありますが、相場では損失を出している人のほうが圧倒的に多いはずです。

次に、上述の”相場に関する基礎知識がない”でも触れましたが、

・企業型拠出年金では利益を出している人が多い

という点を挙げる事ができます。

現在、700万人以上が加入している企業型拠出年金に関しては、運営管理機関がパッケージ化された商品ラインアップをつくり、企業がその中から商品を選び、社員がその中からを商品を選ぶという構造になっています。

先進国株、新興国株、債券、REIT(不動産)など大方の商品は、10年単位で見ると値上がりをしているものが多いので、配当金も考慮すると、運用益がある方のほうが多いと推測しています。(但し、管理コストがかかるので、利益額は多くはないと推測します)

知人に聞いてみると、適当に選んで放置している人が多く、それでも“少し増えていた”という人の割合が多く、大きな損失を出したという話は聞きません。

実際には各国の中央銀行が直接的(ETFの購入)、間接的に(中央銀行が国債を引き受ける事により、国の歳出を通じて)株価の底上げをして、なるべく損失を出させないように操作をしているという側面もありますが、


・自分自身でマーケットの検証しなくて済むように、パッケージ化されている。つまり、勉強の必要性がない。

という条件のもとでは、あまり抵抗が働かないと言えると思います。

完全に自由であり自己責任のもとで行う資産運用(相場)と、実質的に選択の余地が僅かしかない企業型拠出年金のような制度の下で行う相場で、これほどまでに成績に差が出るという事が、次の主体性の問題を考える事に繋がっていきます。

②自分の頭で物事を考える、主体性という問題

主体性とは、自分の意志で行動する事です。他人と違う事をやる時に、多く用いられる用語であることは確かですが、集団からはみ出る事が苦手な人でも、”空気を読んで、集団から逸脱しないようにする”という観点で見れば、主体的に考え、行動をしているはずです。それができなければ、集団の中で長期間うまくやっていく事はできないでしょう。

また、極端な例えになりますが、自分で人生を切り開いた成功者や、自己実現を達成している人に関しても、例えば全く関心がない生活用品に関しては、Amazonのお勧めばかり買っているなど、受動的にならざるを得ません。

言葉の使い方の問題にもなりますが、“誰もが”自分が育った環境、得意分野、興味がある分野においては、主体的に物事を考え、行動し、それ以外の領域では受動的に行動している”と考える事もできてしまいます。

そのような理由で、私自身は、個人を”主体的な人”、”受動的な人”と分けるのではなく、”どの範囲で主体的か?”、”どのレベルで主体的か?”という視点で見るようにしています。

例えば、


・世間一般が認めるような、良い会社に入って出世する人生

・所得は低いが、やりがいのある仕事を選んで幸せな生活を送る人生

・起業して成功する人生

・お金には縁がないが、自由に生きる人生

・理解者はいなかったが、一生芸術活動に打ち込んだ人生

どれをとっても、それぞれ主体的であると言えると思いますが、これらの例の主体性と、相場における主体性は、全く別の性質があると考えています。

では、相場に関係する主体性とは、どのようなものなのでしょうか?

③”世の中の仕組みを知る”という事に対する抵抗

私自身は、現段階では、”世の中の本当の仕組みを知る事”に関して抵抗が働いた結果、チャートや値の検証において強い反応が出るのではないか?と推測しています。

まず、実際に私が相場チャートを調べている過程から一例を挙げてみたいと思います。

USD(米ドル)/JPY(日本円) 2011年~2017年

XAU(金)/USD(米ドル) 2011年~2017年

まず、上記の米ドル/日本円の2011年~2017年(上)、金/米ドルの2011年~2017年(下)のチャートを見ていただければ、日米関係(米ドル/日本円)の関係と、米ドル建て金価格が逆相関になっている事がおわかり頂けると思います。

2011年7月~9月にかけての、金価格の暴騰は、一般的にはギリシャ危機が原因と言われています。

しかし、ギリシャ国債の利回りが30%~40%になり、最も危機的な状況になったのは、2011年12月~2012年2月にかけての事です。(Investing.com などで、ギリシャ国債利回りでチャートを見る事ができます。)この時期の金価格は、1500台後半~1700台後半で推移しています。

私は、2011年の7月~9月にかけて、金価格に影響を与えそうな世界的な出来事を探しましたが、最もチャートと符合する出来事は、日本の菅直人首相の、脱原発表明(7月13日)、野田内閣発足(9月2日、金価格史上最高値 9月6日、その後下落)でした。

奇妙な事に、金価格史上最高値(2011年当時)、脱原発表明菅直人などのキーワードで検索しても、その関係性を指摘する記事は出てきません。

しかし、私はチャートを見る限り、日本の政策(日米関係)と米ドル/日本円、ドル建て金価格は、強い相関関係があり、菅首相のエネルギー政策が世界の株式市場の下落を招き、ヘッジとして金価格が上昇したと考えています。

同様に、これもインターネット上での記事がほとんどありませんが、2013年4月のドル建て金価格の暴落は、日本銀行の黒田総裁の異次元緩和が原因と考えています。

このように考えると、

・なぜ日米関係とドル建て金価格が逆相関なのか?
・なぜ日本のエネルギー政策が世界の株式市場に影響を与えるのか?

などの疑問が湧いてきます。

メディアが報じる”ギリシア危機が金価格暴騰の原因”を根拠に世の中の仕組みを考えるのと、チャートが示す”菅首相の脱原発表明が金価格暴騰の原因”を根拠に世の中の仕組みを考えるのでは、結論が全く違ってきます。

以上、具体例を挙げて説明しましたが、私自身は相場チャートに対する抵抗の原因として、

教科書で学んだり、報道や書籍で知る世界の仕組みと、実際の世界の仕組みは全く違う。我々は、言論の自由が保障されている世界で生活していると思い込んでいるが、遠い将来から見れば、壮大なマインドコントロール下にある。

相場に取り組む事により、既存メディアが自主規制している情報に必然的に触れる事になり、自分自身が意識でわかっていないマインドコントロール状態を、望む望まないに関わらず解いていく事が必要になる。

という側面が関係していると考えています。

つまり、既存メディアが自主規制している事実を検証するという点において、主体的を持たない限り、相場のデータの抵抗は乗り越えられないという事が言えると思います。

もっとも、私自身は人間が複数人いる限り、常に主従関係はできると考えています。文明の誕生以来、社会において、常に支配する側とされる側という関係性が存在するので、人類にとってはむしろ自然な事なのかもしれません。

しかし、この問題に関して、幸福否定理論で言う抵抗が存在し、反応が出るという事実から、仕方のない問題ではなく、乗り越えていくべき問題と考える事ができます。

相場については、私の知る限りでは、最も制限が少なく自由度が高い世界だと考えています。それゆえに、支配する側とされる側、という制限を乗り越える事ができる、非社会的な世界と言えるかもしれません。

自分自身の裁量のみで相場に取り組むやり方と、ある程度のお膳立てがある(言い換えれば、支配する側の管理下にある)企業型拠出年金のようなやり方とでは、抵抗の強さが全く異なるという事実も、相場の抵抗の原因に、支配する側とされる側という問題が潜んでいる裏付けになると考えています。

支配する側とされる側という話になると、ユダヤ系金融資本、ロスチャイルド家、ロックフェラー家などの、ある特定の集団や家系の批判に集中する文章を頻繁に目にします。

確かにそういう側面もあると思いますが、私自身は、

・(相場データなどの)重要な情報が公開されており、パソコン1台あれば、誰もが検証する事ができる

・但し、その重要なデータを目にする事自体に抵抗があり、強い反応が出る

という事実から、

・支配される側の問題が大きい

と、考えています。

また、現段階での私の見解ですが、支配する側も、株の持ち合いや、婚姻関係によって複合体をつくり、相互監視体制になっていると考えています。複合体をつくるという事は、個別では決して強くないという事になります。恐らく複合体の中に入ってしまえば、いくらお金があっても、複合体の意に沿わない事をするのは許されないのではないか?と推測しています。(注2)

そのような理由で、相場に関する抵抗を乗り越える事は、支配層に近づく事とは別の方向になると考えています。

では、支配される側から抜け出し、支配する側にもならない、とは、どのような方向性になるのでしょうか?

これは、お金・相場に関する事ではなく、反応を追いかけるという方法論全般に通じる所があるのですが、現時点での私の経験からの考えでは、原理原則に沿うという生き方に変化してくるという事が言えると思います。

マーケットで投機・投資・資産運用をやるという事は、いわば、無数の敵と無数の獲物がいる狩りの場で、完全に独力で材料を取捨選択しながら、決断、行動をしていかなければなりません。

当然、拠り所となるのは、自分自身で発見した原理原則のみになり、相場データの検証自体が、支配される側からは見る事ができなかった、社会構造を発見する事に繋がります。

そのような社会構造全体を見渡す視点を持つことで、どのように人格面が変化していくのかは、まだわかりませんが、反応の強さから考える限り、非常に大きな影響があると推測しています。

以上、相場に関して最低限の勉強ができない、という問題について、どのような反応が出るかの具体例と、抵抗の原因についての推察を書きました。

次回は、相場において自分のやり方を確立できないという問題を考えてみたいと思います。

注1:
統計データに関しては、サンプル抽出に問題があると、対象の本質とはかけ離れたデータが出る事があります。

注2:
歴史を俯瞰した上での推測になりますが、支配層のトップが〇〇と決まっているという事はなく、王室や貴族のような、最も自由度がない、絶対に立場を変えられない人たちの周辺に情報が集まるようにできており、その体制を企業グループや政府が監視するという仕組みになっているのではないか?と考えています。

ヨーロッパの王室や貴族は世界中の白人社会と婚姻関係で繋がっていますが、アジアにおいては、支配層が婚姻関係で繋がっている事はありません。

2010年以降の世界のマーケットをを見ても、アメリカ、ユーロネクスト、ドイツ、イギリスの市場は上昇傾向にあります。一方で、経済成長著しいアジアの市場は、欧米市場ほど、株価が上昇していません。

この点についても、欧米の国境を越えた支配層の複合体のほうが、アジアの国別の複合体より強く、利益が欧米に流れる仕組みが出来ている事が原因なのではないか?と考えています。

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