『人間性の否定と虚構の世界ー12』広島・長崎の原子爆弾投下に関する疑惑①
* 本連載の目的 *
本連載は、一次資料をもとに自分自身の頭で考えるというテーマで書いた『「お金・相場」に関する幸福否定の研究』の続編として位置づけています。
心理療法家の笠原敏雄先生が提唱した、「反応を追いかける」という方法論を使って明らかになった事や、経緯を書いていますが、主張内容は筆者個人のものです。
また、権力者や専門家を批判する内容もありますが、一般大衆の態度や要求も問題にしており、特定の層を糾弾する意図はありません。集団における異常行動の原因となる、幸福否定理論で説明できる心理的抵抗の検証を目的としています。
*大まかな流れ*
『「お金・相場」に関する幸福否定の研究』において、「お金とは何か?」という事に対して、多くの人において抵抗が強い事がわかりました。
その後、「核兵器・原子力」の分野と、「土壌」という分野においても、集団での抵抗がある事がわかっています。
本稿は、「核兵器・原子力」の集団抵抗と、その背景にある社会システムの分析過程という位置づけになります。
* 用語説明 *
幸福否定理論:心理療法家の笠原敏雄先生が提唱。心因性症状は、自らの幸福や進歩を否定するためにつくられるという説。娯楽は難なくできるのに、自らの成長を伴う勉強や創造活動に取り組もうとすると、眠気、他の事をやりたくなる、だるさ、その他心因性症状が出現して進歩を妨げる。このような仕組みが特定の人ではなく人類にあまねく存在するという。
抵抗:幸福否定理論で使う”抵抗”は通常の嫌な事に対する”抵抗”ではなく、許容範囲を超える幸福、自らの成長・進歩に対する抵抗という意味で使われている。
反応:抵抗に直面した時に出現する一過性の症状。例えば勉強しようとすると眠くなる、頭痛がする、など1985年の日航ジャンボ機墜落の疑惑に関して、国、官庁、専門家、報道関係などのいわゆる「権威」の実態と、大衆の側の問題点という視点で書いてみたいと思います。
広島原爆黒い雨の中のU-235/U-238比
藤川 陽子∗(京都大学原子炉実験所) 静間 清(広島大学大学院工学研究科) 遠藤 暁(広島大学原医研国際放射線情報センター) 福井 正美(京都大学原子炉実験所)
1 はじめに
広島原爆由来のローカルフォールアウトに関する報告は少ない。一方、爆心から3km以上離れ、 直接ガンマ線や中性子線の被ばくの可能性の低い地域で、魚の斃死や住民の下痢等があったとする証 言が存在する等、原爆による被害の実像と理論的に推定されうる被害の間には、依然として乖離があ る。被害の正当な評価には、放射性降下物の分布も含めた被ばくの全貌の解明が必要である。(中略)
6 まとめ
1)広島原爆の黒い雨には、核分裂生成物のCs-137、天然存在比に比べて過剰のU-235、鉛等の重金属が含まれていた。ただし、白い雨、赤い雨にはCs-137は少なく、U-235は検出されなかった。
2)被爆直後に採取された広島の土壌(硝酸抽出画分)からは、ほぼ天然比のU-235が検出された。 本当は過剰のU-235が検出されるはずであったので意外な結果であった。
3)被爆直後に採取された広島の土壌(硝酸抽出画分)からは、過剰のU-234が検出された。ただし 抽出方法のartifactの可能性が高い。
4)現代の広島の土壌(日渉園)からは極微量の過剰のU-235の存在の可能性が示唆された。
5)しかし日渉園で発見されたU-235は期待された量より少なかった(50kg U-235/半径5km均等 分布で、U-235/U-238比の数割アップが期待できる)。
6)U-235/238 同位体比測定精度は、ICP-QMS(四重極MS、京大側)とMC-ICP-MS(マルチコレクター ICP-MS、ローレンスリバモア研)との相対誤差にして0.2%内外に収まり、広島原爆関連の試料に ついては京大炉の装置で支障なく分析できることが確認できた。
広島と長崎のどちらの調査でも、想定される核爆発に見合うだけの放射性降下物について、明確なエビデンスは得られていません。長崎近郊のプルトニウムとセシウム137の濃度はそれなりに高いものの、原爆の核分裂収率とは一致しません。しかもその時期は、原爆が投下された時期とも一致しません。そうした放射性核種は約2年後にもたらされた可能性が高く、それはコンプトン(筆者注:米国の物理学者。ノーベル物理学賞受賞。マンハッタン計画の重要人物。1945年の「暫定委員会」において、プルトニウムを得るまで、1946年1月からはじめて、1年半かかると発言)が推定したプルトニウム利用可能時期とよく一致しています。広島原爆の降下物の研究については、以下のようにまとめられます。
1 降下物中に高濃度のウラン235が含まれていたというエビデンスは存在しません。土壌や現地で乾燥した黒い雨に対する測定では、同位体の濃縮度が非常に低いと報告されているだけです。濃縮度の高さについてはかつて公式談話で語られたことがあるだけで、この前提にもとづいて計算を行っても、爆弾に含まれていたウランの絶対量はほぼゼロであったことが示されます。
2 広島原爆に起因するセシウム137は容易に検出されますが、それらの値は、のちの原爆実験に起因する地球規模の放射性下降物の値よりも、十分に低いレベルにとどまっています。しかし、詳細がはっきりしているサンプルにおいては、それでもなお、広島原爆の公式談話で主要ポイントとなっているウラン235の、きわめて少ない計測量から予想されるセシウムの量を超えています。
3 地球規模の放射性降下物から保護されていたサンプルにも、ウラン235爆弾の爆発による生成とは相容れない量と同位体組成のプルトニウムが含まれています。これらの観測結果は、どれも「リトルボーイ」に関する談話に当てはまりません。むしろ、「汚染爆弾・汚い爆弾」などによる原子炉廃棄物の拡散パターンと一致しています。また、測定されている同位体比は大きなばらつきを示していますが、これはさまざまに異なる段階の放射性廃棄物が使用された(撒かれた)ことを示唆しています。その内部では、低濃縮ウラン235(原子炉燃料)が異なる程度で核分裂していたと考えられます。
(引用:『偽装された原爆投下』 p114~115- ミヒャエル・パルマー著 原田輝一訳)
核分裂生成物の収率
特定の核種あるいは特定の質量数の核分裂生成物を生ずる核分裂の全核分裂に対する比をいう。ふつう百分率で表し、その合計は200%になる。例えば、U−235と熱中性子によるI−131の収率は約3.1%、Cs−137のそれは6.15%である。(引用:原子力百科事典 ATOMICA)
*自然界にある天然のウランと、原子爆弾の濃縮ウランの比率
天然ウラン:ウラン235が約0.72%、ウラン238が99%以上。濃縮ウラン:ウラン235が約80%、ウラン238が約20%(参考:『偽装された原爆投下』 p9~11)
*ウラン234とウラン238の比率
ウラン238が崩壊すると、ウラン234が生成される。ウラン234の原子量は、ウラン235に近いので、一緒に濃縮される。原子爆弾に使用された濃縮ウランのウラン234の放射性活性は、ウラン238の倍に約500倍を上回る。(ウラン235、0.72%を100倍以上にして、80%。99%のウラン238を5倍に希釈して、20%)(参考:『偽装された原爆投下』 p88)
研究されたほとんどのサンプルで、同位体比は天然ウランの比率とごくわずかしか違っておらず、爆弾由来のウランの量はごくわずかでした。もっとも高い比率は、石膏ボードの上端から採取されたサンプルで測定されました。この部分はボードの表面とは異なり、家の住人によって雨(筆者注:爆弾投下後に降った黒い雨)が拭き取られていませんでした。このサンプルで観察された比率が0.72%であるのに対して、0.88%でした。この結果によると、サンプル中の全ウランのうち、わずか0.2%弱だけが爆弾に由来していた事になります。(中略)
1945年8月6日、ウラン235とセシウム137の両方が広島に降下した、と結論付ける事は可能です。しかし、放射性下降物のウラン235の割合が非常に少ない事は、核爆発という話には適合しません。(『偽装された原爆投下』p11~12)
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