「お金・相場」に関する幸福否定 9:相場における心因性症状・異常行動-4 ③自分のやり方を確立しても、その通りに行動できない ④精神的に不安定になる・やめてしまう
- 作成者: shunsukeshunsuke
- カテゴリー: 「お金・相場」に関する幸福否定
* 用語説明 *
幸福否定理論:心理療法家の笠原敏雄先生が提唱。心因性症状は、自らの幸福や進歩を否定するためにつくられるという説。娯楽は難なくできるのに、自らの成長を伴う勉強や創造活動に取り組もうとすると、眠気、他の事をやりたくなる、だるさ、その他心因性症状が出現して進歩を妨げる。このような仕組みが特定の人ではなく人類にあまねく存在するという。
抵抗:幸福否定理論で使う”抵抗”は通常の嫌な事に対する”抵抗”ではなく、許容範囲を超える幸福、自らの成長・進歩に対する抵抗という意味で使われている。
反応:抵抗に直面した時に出現する一過性の症状。例えば勉強しようとすると眠くなる、頭痛がする、など
相場:(本稿で扱う意味)
実物・現物・直物取引ではなく、市場における価格変動によって生じる差額で利益を得ようとする投機的取引。(goo国語辞典)
*指標としての反応の使い方の違いのまとめ*
・個人の抵抗が強い領域
個人としては自分の反応を追い、抵抗がなくなった部分を意識上で理解できた部分を形にしていく。
・専門家の抵抗が強い領域
(どの分野でも)ある程度、専門性がある人の集団においては、専門家の中で、不自然に避けられている部分の反応を探る。例えば、当然検証されるべき事が、専門家の著書や論文、インターネット上で全く見当たらない、など。この場合、該当部分を専門家を相手に話をすれば、反応(あくび、眠気など)が出る事が多い。
・専門家、一般人の分け隔てなく全体的に抵抗が強い領域
専門家、一般人の区別なく全体に抵抗があるように思われる事に関しては、個別の反応の調査の積み重ねでは限界があるため、並行して、本稿においての”お金を稼ぐために莫大な時間を使うにも関わらず、多くの人がお金とは何かを知らない”など、明らかにおかしい点を抽出しながら比較検証の精度を高めていく。
前回は、相場における抵抗の結果として、
①最低限の知識についての勉強ができない
②自分のやり方を確立できない
③自分のやり方を確立しても、その通りに行動できない
④自分のやり方通りにポジションを取っても、精神的に不安定になる。やめてしまう。
⑤自分のやり方を確立し、その通りに行動し、成功した後、ルールが通用しなくなり資金をなくしてしまう。
今回は、
③自分のやり方を確立しても、その通りに行動できない(ポジションが取れない、利食いが早い、損切りができない)
④自分のやり方通りにポジションを取っても、精神的に不安定になる。やめてしまう
まずは、実例を2例挙げてみたいと思います。
一つ目の実例は、私の親族の実例になります。
数年前から、世界中の中央銀行がインフレ誘導のための政策(量的緩和)をやっている事を知っていたため、親族が集まった時に、雑談の中で、年金生活の保険として、資産の1~2割を金を買ったらどうか?という話をしていました。上場会社に定年まで勤めていた団塊の世代は、夫婦合わせて、現役世代の平均年収くらいの年金収入があります。
年金が「マクロ経済スライド」というシステムで、完全にインフレに対応していない事、中央銀行の量的緩和(信用創造により、年間80兆円のお金を創り続けている)でインフレに誘導しようとしている事などを雑談の中で話し、金融関係者ばかりの私の親族は、内容はすぐに理解しました。
(前略)
年金は、本来、インフレに合わせて金額が調整されます。1%のインフレの時に年金の金額を1%増やさないと実質的な購買力は1%小さくなってしまいます。
しかし、来年の4月から、マクロ経済スライドが始まると、こうなりません。例えば物価上昇率が2%だったとしたら、来年4月の年金の引き上げは2%-(スライド調整率)になります。スライド調整率は当初、0.9%と想定されていましたが、年金再検証の結果引き上げられ、1.3%とされています。
スライド調整率とは、はやくいえば、現役世代の人口減少率と平均余命の伸び率を足したものです。
つまり、物価上昇率が2%なら、そこから1.3%を差し引いた0.7%分、年金が引き上げられます。
名目の年金額は増えますが、実質的な年金の購買力は1.3%分減ることになります。
こうしたマクロ経済スライドは、最新の年金再検証によれば2043年ごろまで、つまり今後、30年間続くことになります。
「えっ、聞いてないよ」とおっしゃるかもしれませんが、これは2004年、小泉政権の時に決まった政策です。マクロ経済スライドは、厚生年金、国民年金ともに適用されますが、国民年金のほうが大きく影響を受けることになります。(以下略)(引用:衆議院議員 河野太郎公式サイト 「年金が減るマクロ経済スライド」 2014年12月31日)
この記事(2014年末)以降の「マクロ経済スライド」に関しての、細かい数字の改正の詳細は割愛しますが、親族に、“政府が目指している2%の物価上昇でも、年金が目減りしていく。仮に1970年代のようなインフレ(注:実際にはスタグフレーション、景気後退期の物価上昇)になったら、生活できなくなる。仮に金価格が半分になっっても、それは通貨が安全という事だから、1~2割の保険をかけておくのもいいのではないか?”という主旨の話をしたところ、反対する人はおらず、“そうだな・・・”という感じの反応です。
私も実際には話はわかっても行動は起こさないだろうと考えていたので、詳しい話はそれ以上しませんでしたが、話を聞いていた親族の一人が、関心を示し、金を買いたいという事を言い出しました。
その親族は、実際に新聞やインターネットで、量的緩和や年金の「マクロ経済スライド」、インフレを検索し、経済学者も言っており、新聞にも書いてある事として、新聞に赤線まで引いて勉強をしていました。
そして、実際に純金積立の口座も開設し、「買い時が来たら教えて欲しい」と言われました。
この金の下落には、トルコリラの急落により、市場が不安定になっていた事もあったのですが、8月16日に「ドイツ、トルコの経済混乱収束に協力 カタールも直接投資表明」(日経新聞 2018年8月16日)のニュースが出てから、チャートに “+” のローソク足が出ます。
長期チャートで見ても、半値押しに見えたので、親族に連絡をし、“金を買っても良いタイミングだと思う。但し、数回に分けるように。”とアドバイスをしました。
その後、結果的に見れば、ここ数年での最安値で金を買うようにアドバイスできたのでホッとしていたと同時に、先に勉強していた私の平均購入価格よりも、一割近く安い価格で購入したので、少々羨ましい思いもしていました。(但し、私自身はルールに則っての購入なので、その点については納得しています。)
しかし、後日、親族に会った時に、“少し上がったら売った”と聞き、驚く事になります。
この行動を、
・私に少しの利益が出た事を、喜んで話している事(通常であれば話すのをためらうはず)
という点を踏まえて、抵抗による結果として判断しています。
この例は、相場の抵抗を調べる、本連載の研究に協力してくれている友人の例です。
この友人は、大学時代の同期で、商学部を出ており、物流関係の仕事に就いており、中国との取引もあります。研究に協力してくれた当初は、眠気、だるさ、他の事に逸れるなど、相場チャートを見る事自体に抵抗があったのですが、一年程経過してチャートが見れるようになり、実際にコロナ渦で、中国の製造業が動き出しているかを確認するために、銅のチャートを見て判断するなど、部分的に仕事にもチャートデータを部分的に利用するようになりました。
・オプション取引
・価格差(スプレッドを獲る)
に非常に抵抗が強い事がわかっていました。
・私が連載で掲載し、長期チャートの反応が強かった、ゼネラルエレクトリックの購入
・下落していた金(GOLD)の空売り
・鞘取り(共通点があるセクターの買われすぎを銘柄を空売りし、割安銘柄を購入する)
を、損失が出ても実害が少ない、数万円単位でやってみる事にしました。
この友人に関しては、
・今回のポジションを取る事に関しては、十分に理解、納得をしている
・少額なので、利益が出ても、損失が出ても生活に全く影響はない
という点と、非常に強い反応を確認できた事で、やはり抵抗に直面した結果と判断しています。
・長期投資(この時はGE、性質としてはバリュー株投資)を実行しようとした事が関係している
・データを重視したリスクリワードで行動する(この時は鞘取り)事を実行しようとした事が関係している
・一番強い対象を売る(この時は金)事が関係している
反応では、“一番強い対象を売る”が一番強かったのですが、その後、いずれも実行できていないので、実際のところは、何回かに分けて調べてみないとわかりません。
以上のような行動は個人における資産運用や、トレードにおいては数えきれない程あるのではないか?と推測しています。
プロだからと言って、自分自身を律する事ができるわけではなく、多くのプロトレーダーも失敗をし、マーケットから退場しているはずですが、その厳しい世界を生き抜いてきている機関投資家(ヘッジファンド)と、個人投資家の行動パターンの違いを、投資部門別売買状況を見ながら、検証してみたいと思います。
=投資部門別売買状況を検証する=
現在は、一昔前と違い、詳細な売買データがインターネット上で公開されています。
例えば、東京証券取引所が投資部門別売買状況のデータを公開しているのですが、チャートで見ると以下の図ようになります。
投資主体別売買状況
(出所:nikkei225jp.com)
まず、投資主体別売買状況を見てみましょう。このチャートを見ると、機関投資家(青)と個人投資家(紫)が真逆の売買をし、個人投資家が圧倒的に損失を出している事がわかると思います。
数字で見ても、米国大統領選後の日経平均株価が暴騰した時に、海外の機関投資家や国内の証券会社は買い越しを続け、個人投資家は売り越しを続けているのがわかります。
以上を踏まえて、利益を出すトレーダーと、損失を出すトレーダーの特徴を検証してみたいと思います。
=時間に関する考え方・変動率・共感・欲=
・利益を出すトレーダー
エントリー・・・条件が整うまで待つことができる
利食い・・・損切り共にデータを重視
・損失を出すトレーダー
エントリー・・・条件が整うまで待てない。(通称、ポジポジ病)
利食い・・・早い。基本的にリスクリワードの世界は居心地が悪いため、早く緊張感から解放されたいという心理が働く。
損切り・・・遅れる。勉強して時間を使ったのに、損失になる事が受け入れられない
・エントリー・利食いは、条件が整うまで(一番確率が高いところまで)、集中したまま待ち続けないといけない。
とアドバイスされた事を書きました。
この“集中したまま、一番確率が高いところまで待つ”という点については、私は未だに克服する事ができません。お金を稼ぐには、徹底したリスクリワードの考え方をしたほうが効率が良いのは理解しているのですが、チャートを見ながら待ち続けると、根が研究者であるため、どうしても本職の資料を読み込む時間を削ってしまう事になります。
時間単位(月収、年収という概念を含む)で仕事をしていると、費やした時間に比例して対価をもらうという事に慣れているので、
という事が、非常に苦しく感じます。
・安定を求めたい(リスクを取りたくない)
という根源的な性質を人間はもっていますが、それを続けている事が、長期的に考えると、もっともリスクが高いという事になります。
この点を、いかにして理性で乗り越えていけるのか?という点が重要になりますが、ここにも強い抵抗がかかる事が、個人的な経験、また、様々なトレードの経験談を通じて、わかっています。
私自身は、日々のトレードよりも、幸福否定の研究と本業が優先になるので、画面に張り付いているデイトレードは、ポジションを取らない日は、やはり“時間を無駄にした”という感覚が出てしまいます。
(青い矢印部分が、週末の時間外取引、または市場が開く前の先物取引。ロウソク足の間隔が空く為、“窓”と呼ぶ。単独のチャートではなく、株式、債券、コモディティなども検証しながら総合的に判断。)
ここでも、やはり
・ポジションを変える条件が整うまで待てるか?
という事が問題になり、
長期のインデックス投資においても、
という点が重要になります。
どちらにしても、短期的な安定を求める根源的な性質を理性で乗り越えるという事が必要になってきます。
■変動率
米国株式市場のS&P500指数(1970年2月~)
金(1970年2月~)
アメリカ国債10年先物(1982年5月~、S&P500指数、金に合わせて値幅調整)
次に、変動率の問題を考えてみたいと思います。
上のチャートは、米国株式市場、金、アメリカ国債10年先物の比較になります。
筆者注:本来は期間を同一にすべきですが、米国債先物取引が開始されたのが1975年からになるので、検索できた最長のチャートを掲載します。米国国債のチャートは、額面が決まっており、利率のみのチャートになるため、採用しません。
S&P500指数、金、共に、変動相場制に移行したニクソンショック以降は、年利10%程度の利率で上がっていますが、米国債に関しては、1982年から見る限り年利2%程度の上昇になります。
但し、1970年代にはインフレにより大幅に利率が上昇しています。この点に関しては、利率の上昇で乗り切れれば良いですが、国家破綻になると国債は無価値になってしまうので、このような局面ではリスクが高いと言えます。
このチャートを見ると、株式と金が現金に対して上がっているのがわかるのですが、もっとも好まれるのは国債です。
理論で言えば、株式や金が増刷され続ける不換紙幣に対して価値があがっていく(つまり現金の価値が下がっていく)のですが、株式市場が好調な時は、金価格は停滞し(1980年代、90年代、2010年~)、株式市場が停滞している時は、金価格が上昇し、(1970年代、2000年代、2018年~?)そのサイクルは10年近い単位になります。
考える事ができます。
多くの割合の人や企業が、
・株式や金の保有時に、短期的な値動きに関しては不安になり、現金保有のように長期に渡って徐々に目減りしていく事に関しては、不安を感じない
・変動率が高い対象は、保有し辛い
この点も、ハイリスクな短期的安定を求めるよりも、短期的には不安定になっても、長期的にはリスクが低くなる選択肢を選ぶために、感情を理性で乗り越えていく事が必要になってきます。
■共感
株式、コモディティ、通貨、どれにも言える事ですが、底値の時には、“破綻か?”“暴落か?”というニュースが出ます。
最近では、コロナショックで株式市場が底をうった後、5月頃には“第二派が来て、二番底が来る”という意見が多かったように思います。また、“米国大統領選の混乱で株式市場は暴落する”という見解が多かったように思います。
円が80円近くになった時には、“ドル円崩壊。1ドル50円も視野に!”というようなタイトルの記事を多く目にしました。
そして、高値からの暴落は、市場が楽観的な時に何の前触れもなく起こります。
理論で考えれば、
・市場参加者の大多数が、推している対象は高値
・市場参加者の大多数が、感情的に否定しているか、関心を持つべきなのに、無関心な対象は安値
高額給与所得者や、企業経営者などは、周囲の支持が必要なため、“共感”の世界に軸足を置いています。そのため、資産運用で良い結果が出ていないのではないか?と考えています。
対して、トレーダーは“共感“とは真逆の、合理性、効率性で物事を考え行動します。
この点も、人類が思い込みや迷信を、データを基にした”科学“で覆して進歩したのと同様に、データと合理的な思考で“同調“(第6回、アッシュの同調実験参考)を乗り越える事が必要になります。
■欲
最後に、長期で成功し続けるという視点で考えると、もっとも難しい事が“欲“を乗り越えるという事になります。
この点に関しては、自分自身が乗り越えられるか?と考えると、正直、難しいのではないかと考えています。
・報道では出てこない世の中の仕組みをチャートや値のデータを基に考える
・上記の時間、変動率、共感といった性質を理性で乗り越える
そのため、
・成功した手法を型にはめる
・早く利益を出したい、抵抗から逃れたいという感情から、資金管理を超えた金額を賭けてしまう
また、許容範囲を超えた成功に関しては、抵抗が働くので、自分を律するという事ができなくなります。
成功体験が大きければ大きいほど、通用しなくなった手法を捨てるのは、難しくなります。
この点に関して、は次稿で検証してみたいと思います。
次に、④自分のやり方通りにポジションを取っても、精神的に不安定になる。やめてしまうという症状、行動について考えてみたいと思います。
=自分のやり方通りにポジションを取っても、精神的に不安定になる。やめてしまう。
この点については、経験してみないとわからない側面もあるのですが、ルールに従って利食い、損切りをするというのは、そう簡単な事ではありません。
そのため、基本的には、早く退出したいという感情が働きます。
・値動きが異常に気になる
・上がっても下がっても落ち着かない
特に、少額での練習でも不安定になるという場合には、利益が出ても、損失が出ても、金銭面での変化がほとんどない事から、マーケットでの売買そのもの以外、例えば“金銭的に豊かになる”、“世の中の仕組みを知る”、などが反応の原因である可能性が考えにくいという暫定的な結論が出ています。
しかし、マーケットにおいては、合理性、規律に基づいて行動するほうが有利であり、その純度が最も高い世界のうちの一つと言えるのではないでしょうか?
その点を、不動産投資を比較対象として検証してみたいと思います。
■不動産投資との比較
私が現在治療院を経営している場所は、JR静岡駅から徒歩15分くらいの場所になります。国道一号線という主要道路の一本裏側の通りで、昔は商店街で静岡市でももっとも活気があった場所です。
現在は、時代も変わり、旧商店街のボロボロの店舗と、狭いスペースに建てた3階建ての新築住宅が混在しているような通りですが、ほとんどお客のいない、旧商店街の店舗がいくつか営業を続けています。
これらの店舗の店主は、現在は80歳近い年齢になっていますが、昭和40年代、50年代の景気の良い時代に、不動産の所有者になっているため、店舗収入ではなく、アパートや、駐車場などの賃収入で生活しています。
不動産というのは、もっとも一般的な投資の一つになりますが、データをもとに合理的に判断する、というよりは、
・始めた時代が有利な時代か?
が最も重要な要素になります。
地方では、商売で成功し、地方議員の応援、町内会活動、名士との繋がりなどに精を出し、1970年代に土地を購入していれば、本業が潰れても、不動産収入で、一生お金に困らずに生活している人がいます。
しかし、1980年代後半の不動産バブル期に不動産投資をした人は、大きな損失を出している人が多く、全く違う結果になっているのではないでしょうか?
同じ(投機的な意味合いも含む)“投資“でも、
・不動産投資の本質は利権争い
・マーケットでの投資の本質は、如何にデータを基に合理的に行動できるかの争い
また、
・不動産投資は実体経済での取引
・株式投資は金融経済での取引
幸福否定理論で言う、“抵抗”に関しては、
・不動産投資(投機)
強い抵抗が働かない。(結果は時代による)但し、現代においてはほとんどチャンスがない。利権争いの性質が強いため、不平等な世界。
・マーケットでの投資(投機)
非常に強い抵抗が働く。どの時代でも、平等にチャンスがある世界。
という違いがあります。
この点を踏まえながら、ここまで書いてきた、相場における心因性症状を、幸福否定理論の観点から簡単にまとめてみたいと思います。
=幸福否定理論の観点から見た、相場における心因性症状・異常行動の原因の簡単なまとめ=
まず、大前提として
①最低限の知識についての勉強ができない
という症状に関しては、第7回で検証し、
・相場データの検証における反応は、社会構造の原理原則に触れる部分で出る傾向がある
という、現段階で出ている暫定的な仮説の説明を行いました。
次に、第8回で
②自分のやり方を確立できない
という点において、ある程度一般化できるという前提で、
・投資対象、投資法を決めていく作業自体で、いちいち反応が出る
という現象を、私自身の経験を踏まえて書きました。
反応の原因としては、
・世の中の仕組みを知る
という点に加えて、
・自分自身を知る
という要素も含まれています。
・安定・共感を望む感情で動くのではなく、データを基に理性で感情を乗り越えて行動する事する事、またその世界に入る事自体に抵抗が働く
①は、宗教や、既存の概念から抜け出す時に直面する抵抗を乗り越える作業、③、④は、科学者が直面する抵抗を乗り越える作業と同質と考えています。
以上、これまでの検証の簡単なまとめになりますが、次回は、⑤自分のやり方を確立し、その通りに行動し、成功した後、ルールが通用しなくなり資金をなくしてしまう。
という点について検証してみたいと思います。
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