「お金・相場」に関する幸福否定 8:相場における異常行動・心因性症状-3 ②自分のやり方を確立できない(ポジポジ病)

* 用語説明 *

幸福否定理論:心理療法家の笠原敏雄先生が提唱。心因性症状は、自らの幸福や進歩を否定するためにつくられるという説。娯楽は難なくできるのに、自らの成長を伴う勉強や創造活動に取り組もうとすると、眠気、他の事をやりたくなる、だるさ、その他心因性症状が出現して進歩を妨げる。このような仕組みが特定の人ではなく人類にあまねく存在するという。

抵抗:幸福否定理論で使う”抵抗”は通常の嫌な事に対する”抵抗”ではなく、許容範囲を超える幸福、自らの成長・進歩に対する抵抗という意味で使われている。

反応:抵抗に直面した時に出現する一過性の症状。例えば勉強しようとすると眠くなる、頭痛がする、など

相場:(本稿で扱う意味)
実物・現物・直物取引ではなく、市場における価格変動によって生じる差額で利益を得ようとする投機的取引。(goo国語辞典)



*指標としての反応の使い方の違いのまとめ*

・個人の抵抗が強い領域
個人としては自分の反応を追い、抵抗がなくなった部分を意識上で理解できた部分を形にしていく。

・専門家の抵抗が強い領域
(どの分野でも)ある程度、専門性がある人の集団においては、専門家の中で、不自然に避けられている部分の反応を探る。例えば、当然検証されるべき事が、専門家の著書や論文、インターネット上で全く見当たらない、など。この場合、該当部分を専門家を相手に話をすれば、反応(あくび、眠気など)が出る事が多い。

・専門家、一般人の分け隔てなく全体的に抵抗が強い領域
専門家、一般人の区別なく全体に抵抗があるように思われる事に関しては、個別の反応の調査の積み重ねでは限界があるため、並行して、本稿においての”お金を稼ぐために莫大な時間を使うにも関わらず、多くの人がお金とは何かを知らない”など、明らかにおかしい点を抽出しながら比較検証の精度を高めていく。


=お金に関する基礎的な知識に関する勉強ができない=

前回は、相場に関する反応として、

①最低限の知識についての勉強ができない

という点について検証を行いました。

この問題は、非常に根深い問題ですが、現段階では、

・お金の流れから世の中を見ると、既存メディアが自主規制している情報に触れる事になる

・人間は、歴史を俯瞰してみても、支配する側とされる側に分かれており、支配されている側は社会構造を俯瞰してみようとすると、強い反応がでる

・抵抗を乗り越えたからと言って、支配される側が支配する側になるのではなく、原理原則に沿う生き方をするようになる。実社会では、それを実行するのは難しいが、マーケットは原則自由なため、可能である。

・相場データの検証における反応は、社会構造の原理原則に触れる部分で出る傾向がある

という、仮説を出しています。

今回は、

②自分のやり方を確立できない
③自分のやり方を確立しても、その通りに行動できない
④自分のやり方通りにポジションを取っても、精神的に不安定になる。やめてしまう。

という多くのトレードや資産運用で見られる現象を、幸福否定に基づく心因性症状・異常行動と考えて、検証していきたいと思います。

まず、②自分のやり方を確立できない については、前回扱った“本当の意味での社会構造を知る事”についての抵抗が大前提としてあると考えています。

また、デイトレード(一日単位)、スイングトレード(数日~数週間)、長期保有なども、それぞれのライフスタイルに合ったやり方を取り入れないと、時間をかけて検証をしても、実際のトレードや資産運用はできません。

代表的なトレードの特徴を検証した後、③、④の問題をまとめて扱っていきたいと思いますが、その前に、何の知識もなくトレードを始めた時の私の経験から書いてみたいと思いま&lす。



=自分自身のトレード経験談=

トレードを始めた当初は、自分の失敗経験は、自分がトレードに向いていないが故の体験だと思ってました。しかし、知人、友人の話や、投資系ブログ、投資系YOUTUBERなどを体験談を聞いてみると、大多数の人が同じ経験をしている事がわかりました。

書籍からの引用が難しく、投資関連ブログや投資関連動画は消えてしまう事が多いため、私個人の経験を元に書きますが、前提として大多数のトレーダーと共通する経験として、どのような心理状態になるかを書いてみたいと思います。

尚、本稿ではトレードに関しての私自身の経緯に話を絞っています。なぜ東洋医学の仕事をしている私が、相場に関心を持っているか?については、


・代替医療の臨床から、患者さんの“自分自身でわかっていても、コントロールできない自滅的な行動”に関心を持つようになる。

・範囲を拡大し、疾患だけではなく、人間関係など、自身の成長に関する事など様々な自滅的な行動に関心を持ち、幸福否定理論に出会う

・特に芸術活動と、相場(トレード、資産運用)に関して、幸福否定が強く働く事を発見し、研究対象とする。

という流れがありますが、関心のある方は、本連載第1回を読んでいただければと思います。


■デイトレード・スイングトレードの経験・・・後ろから見張られている?

私が最初にトレードをしたのは、2005年頃になるのですが、当時は、ETFの売買などはほとんどなく(注1)、大多数の個人投資家の対象は、日本市場の個別株か為替が売買の対象だったと記憶しています。

個別株も、現在とは違い1000株単位でしか購入できなかったので、資金がない限り、購入するのは低位株に限られます。

また、通貨取引に関しては、インターネットでのFX取引も当時は一般的ではありませんでした。

そのような状況だったので、選択肢が、日本株のデイトレードか、中長期の低位株投資に限られていました。

本業のほうは、実家の一室で一日5人程度の患者さんを施術している状況でしたが、家賃などの経費もかからないため、経営的には十分にやっていける状況にあり、尚且つ通勤時間もないため、実際の仕事時間は5時間程度で、空き時間もあるという恵まれた状況にありました。

本業が朝10時からで、基本的に午前の取引が始まる9時代と昼休みが空いている状況という事もあり、時間を無駄にしたくないという気持ちもあり、日本株のデイトレードをやってみる事にしました。

最初は、とりあえず前日の上昇ランキングを見て、自分の資金で買える株を寄り付きで購入するというトレードから試してみる事にしました。今となっては浅かな考えである事がわかるのですが、当時は、非常に高いレベルの見識と集中力、判断力が要求されるデイトレードの認識がその程度だったという事になります。

実際には、上がったかと思うと急激に下がり始め、慌てて損切をする。損切をするとまた上がり始めるので、また購入する、自分が購入したら下がり始める、という感じで、後ろで見張られているように、相場は逆行します。たまにしばらく上昇する株もあるのですが、それまでに急激に下がり始める株を見ているので、大した利益も出ていないのに、利益確定しまう。

そのような事を繰り返し、大した資金ではなかったにも関わらず、数日で10万円近い損失を出した記憶があります。

今考えれば、大手投資機関の買い注文や利食いの売りが入る時間に、売買をやっていたのですから、何と無謀な事をやっていたのだろうと感じますが、当時はデイトレードは、簡単に稼ぐというイメージがあり、軽蔑されているような風潮もあったので、それほど難しい事ではないのだろうと考えていました。

しかし、実際にやってみると、例えるならプロのサッカーの試合に素人が入って、ボールを追い回して遊ばれているような感覚で、とても太刀打ちできないというような感覚がありました。

これは、簡単に利益が出るものではないと察し、書店でデイトレードの本とチャートパターンの本を購入し、空き時間に勉強を始めました。

この段階のトレードは、幸福否定理論で言う“抵抗”というよりは、無知という事になるのですが、投資家も含めて非常に高度な能力と精神力を要する、デイトレードが軽蔑されているという事自体が、トレードに対する知識が不正確という事になり、“集団妄想”を形成していると言えると思います。

日本にも小手川隆氏(通称BNF氏)や、通称CIS氏といった、個人で200億円以上の資産を築いたデイトレーダーがいます。実際は、そう単純ではないのですが、年利200%(元金が3倍)になると、9年で100万円が約200億円になります。(筆者注)

筆者注:
100万円
1年後・・・300万円
2年後・・・900万円
3年後・・・2700万円
4年後・・・8100万円
5年後・・・2億4300万円
6年後・・・7億2900万円
7年後・・・21億8700万円
8年後・・・65億1000万円
9年後・・・196億8300万円

年利200%というのは、トレードする日が年間200日とすると、複利効果で一日に0.54%増やすだけで達成できるのです。もちろん、100万円が100万5400円になったからと言って、翌日100万5400円分の株を買えるわけではなく、また、証券会社の手数料、売買益の2割の税金などを考えると、実際の一日の利益率は変わります。

しかし、現在は手数料も一日定額制で格段に安くなり、トレードを年間230日とすると、年利250%になり、税金を払っても200%以上残る計算になります。

もし、デイトレードで一日に、平均で100万円を約5000円増やす事ができるのであれば、10年未満で100億円以上を手にする事になります。

私がデイトレードを始めた時には、複利効果を知らなかった事もあり、100万円の元金で、一日数万円増えると考えていたのですが、計算してみると
とんでもない誤解だという事がわかりました。(注2)

これらの数字を理解できるようになると、

・書籍、ブログ、動画などの利率計算がいい加減

・レバレッジは、ほとんど必要性がない
年利27%で、元金が10年で10倍。この運用成績が出せるトレーダーは、スポーツで例えるとプロの一流選手。例えば、年利が10%強で、元金が少なく、始めた当初に2倍程度なら、意味はあるかもしれない。但し、3倍~4倍のレバレッジが必要なのであれば、年利が一桁という事になるので、投資手法の見直した方が良い。

という事が判断できようになります。

現在では、そのような判断ができますが、当時は、“自分がデイトレードのスピードについていけない”、“本業に支障をきたす”などの理由を考えだし、日中は相場の画面を見なくて済む、数日間の期間で行う、スイングトレードに切り替える事にしました。

“理由を考えだし“というのは、あくまで自分に対しての言い訳を捻りだす、という意味になります。

例えば、本業に影響するかどうか?に関しては、“仕事中に気にならなければ、デイトレードとの兼業だろうが長期投資だろうが、何も問題はなく、気になって仕事中の集中力を欠くようであれば、デイトレード、長期投資に限らず、問題あり”という事になります。

後に理解する事ですが、デイトレードをやめた理由は、仕事への影響ではなく、

・画面に長時間張り付いている事ができない
・エントリーポイントを待っている時間が苦しい

という二点で、デイトレードへの適性が自分にはない、また難易度が高すぎると判断し、現在もデイトレードは行っていません。

これらの適性については、後述する事にして、スイングトレードにしてみようと思い立ってからの経過を書いてみたいと思います。



■ ポジりたい病(ポジポジ病)

スイングトレードに切り替えてからは、多少の勉強をしてトレードに臨んだものの、本に書いてあるような典型的なパターンは実際には、そう簡単には出てきません。

勉強しながら、何もしないというのも時間の無駄のような気がしたので、条件を満たしていなくても、一番近い銘柄を探し、注文を出すという事をしていました。

パターンを待っていては、いつまで経っても画面を眺めているだけで、時間を浪費してしまうとの思いから、少しでも傾向があれば仕掛けるようにしていましたが、結果は、デイトレードの時と全く同じようになりました。

この、条件が整うまで待てない症状は“ポジりたい病(ポジポジ病)“と呼ばれ、損失を出すトレーダーの典型的な例として扱われている事を後に知る事になるのですが、その時は、“待つことが大事“という発想すらありませんでした。

以下、トレードをやっている時の心理状態を、非常にわかりやすく表現している文章があったので引用します。私の場合は、デイトレードでも、スイングトレードでも同様の経験をしています。

“シナリオはこうだ。自分は二~三回立て続けにトレードに失敗している。マーケットを見ていると、用いている指標が「機会が今現れた」と示している。しかし、怖気づいて、即座にトレードできない。そのトレードは非常に危険だと感じてしまう。
そして非常に危険なので、これが「本当の」シグナルなのか疑問を抱き始める。その結果、「このトレードはうまくいかないだろう」という言い訳になる情報を集め始める。

それは普段は考慮も注目もしていない情報であり、たしかに自分の売買法の一部となる情報ではない。

その間もマーケットは動いている。そして不幸にもマーケットは、すでにシグナルが示した方向へと発展し、もし躊躇していなければトレードを仕掛けていたはずの値段から、遠く離れてしまっている。そして葛藤が生まれる。勝機を逃したと考えるのが苦痛なので仕掛けたい。しかしマーケットは仕掛ける値段からすでにかけ離れていて、それだけリスクが増加している。

心のなかで激しい綱引きが繰り広げられる。「好機を逃したくない。しかしマーケットのブレで損をしたくない」。そして結局何もしない。その矛盾で感覚が麻痺をしてしまったのだ。

そして静観を決め込んだ理由を「あまりに危険だったので、マーケットを追いかけるのをやめた」として、自分に言い聞かせる。ところが、もしトレードしていれば大儲けをしていた方向へとマーケットが続伸しているのを見て、激しい後悔の念にさいなまれるのである。(引用:『ゾーン 「勝つ」 相場心理学入門』 /マーク・ダグラス著 世良敬明訳 p151,2010,パンローリング)

トレードに関する文章を読んでいると、“後ろで見張られているように逆行する”という事が書いてありますが、恐らく、全く同じ経験をしている個人投資家の方はかなりの割合になるのではないでしょうか?

現在は、何人もの個人投資家のブログや動画などがあり、他の投資家の経験を知る事ができるので、個人投資家が似たり寄ったりの経験をしている事がわかりますが、当時はそのような資料はありませんでした。

また、自分のトレードの方法は自分で決めたいと思っていたので、他の人に相談する事はしていませんでしたが、何か根本的な考え方の違いや適性の差があるのではないか?と考え、どちらもボクシングファンで、飲み会で顔を合わせていた、知人の専業トレーダーに思い切ってトレードの適性を聞いてみる事にしました。

ある時、複数のボクシングファンで、後楽園ホールで一緒に試合を観る機会がありました。ボクシングというのは観戦に非常に集中力を使うので、普通は少し席を立って休憩を取ります。飲食をしたり、たばこを吸っている間に一発KOで試合が終わってしまって、悔しがるファンも多いのですが、デイトレーダーの知人は、約5時間近い興行の間、全く休憩を取らずに集中して観戦し、興行が終わった後も、「何試合目の何ラウンドのストレートが効いたね」というように、鮮明に試合内容を振り返っていたので、驚いた記憶があります。

その知人に、“デイトレードをやってみたんですけど、難しいですね。相場の適性ってあるんですかね?”と聞いてみると、“『スターリングラード』という映画を観てよ。”と言われました。

何の事かわからず、DVDを借りてきて観たのですが、狙撃手を主人公にしたハリウッド映画でした。

後日、電話をした時に、“トレードは狙撃手と同じで、条件が整うまで、集中したまま待ち続けないといけない。弾は一発だと思って、一番確率が高いところまで待てないと、トレードで勝つのは難しい。”と、教えてくれました。

時間労働ではなく、狩りに近いとは何となく感じてはいたのですが、

・確率を高くするには、いかに条件が整うまで待てるか?

が、最も重要という事になると、本業の空き時間を埋めたいという目的には適しません。

やはり、自分には向いていないと思ったのと、毎日何銘柄ものチャートをチェックする事に、かなりの時間がかかる事もわかりました。

・ポジションをとる条件を絞る作業に膨大な時間がかかる
・ポジションをとる事ではなく、条件を満たさないポジションを取らない事のほうが重要

という二点を理解できたので、トレードを中止し、やり方を考え直す事にしました。


■ 低位株の長期投資

デイトレード、スイングトレードで失敗したため、今度はより長期のトレードに注目する事にしました。

上述しましたが、当時は1000株単位でしか株を購入できなかったので、複数の株を持つのであれば、自分が購入できる株は低位株(500円くらいまでの銘柄)に限られます。

低位株投資は、日本に株式売買の技術を紹介した先駆者である、林輝太郎先生が主催する、林投資研究所で会報が出ていたため、早速入会しました。

当時、会費は月に3000円代だと記憶していますが、当時は会員になれば、いくらでも電話で質問できたので、自分で勉強した上で、わからない事があったら、電話で確認するようにしていました。

低位株の50銘柄の月足チャートを書き始め、林先生の売買技術の本を読み始めたのもこの頃です。

正直、時代はハイレバレッジを謳ったFXが流行り出した頃です。

“うねり取り”、“サヤ取り”、“低位株”などの用語は、正直、昭和という時代を感じさせましたし、古臭く感じましたが、長くやっている生き残っている人程、本質的な事を知っているのではないかと思い、著書を読んでみた所、用語に関しては例えば、“サヤ取り”は“スプレッド”など、表面的な違いだけで、今も昔もほとんど変わらない事がわかりました。

株式の売買技術とは、“投資は上がるか下がるかの予想ではなく、技術で利益をあげることができる”という考えのもとに、ツナギ売買、サヤ取り、うねり取りなど、様々な手法がありますが、私個人の解釈としては、様々な手法に共通するのは、“ヘッジ”をしながらの売買、つまり“大きな利益を出す事ではなく、大きな損失を出さずに、確実に利益を増やしていく”という点にあると考えています。

低位株の長期投資に話を戻します。何年か経って置き場所に困り、グラフを処分してしまったので、具体的な月は確認できないのですが、2006年、もしくは2007年にチャートを書いていた50銘柄のうち、20銘柄以上で、十字のロウソク足が出ました。翌月が陰線になったので、思い切って損切をしました。

日経225

(出所:Investing.com 日経225 2007年)

その後、本業で東京に出張に行った際に、林投資研究所に行き、林先生に、
“実は、50銘柄中、20銘柄以上に十字のロウソク足が出て、翌月に陰線が出たので、推奨銘柄を売ってしまいました。この判断は良かったのでしょうか?”と質問すると、

“自立した売買ができているのだから、良いのではないか。今は買う時期ではない。何年か経ってから、上昇相場(具体的にはWパターンが出た後など)のサインが出たら始めれば良い。それまでは、本業に専念したほうが良いのではないか?”

というアドバイスを頂きました。

この売買は、損失を出しましたが、

・買い・・・推奨銘柄を急いで買ったので、間違い。
・売り・・・データを見て、自分自身で判断できたので、納得できる損切り。
・問題点・・・条件が整うまで売買をするな、と言われた事。

となります。

その後、現在に至るまで、日経平均は上昇しましたが、低位株は下落を続けています。

私自身は、2008年に不動産(店舗物件)を購入し、手元の余裕資金がなくなった事や、小坂療法や、「幸福否定理論」という、非常に重要な研究対象に出会ったため、そちらの勉強に時間を割くようになり、幸いある程度順調に利益が出たため、相場はしばらく休止します。

期間をおいて、2014年頃から、そろそろ国の借金と日銀の異次元緩和が危ないのではないか?と考えはじめ、また仮想通貨が出てきて、関連書籍で勉強を始めました。2016年にはマイナス金利が導入されたため、本格的に通貨に関する勉強をし、米国株式と金(Gold)の両建てで、資金を入れ始めました。

もっともこれは、2006年頃とは違い、ある程度の資産ができたので、100%現金で持っているのはリスクが高いと考え、投機というよりは、資産運用を目的としたものです。

この時は、あくまで本業優先で、合間に通貨に関する勉強をしようと考えていたのですが、次第に通貨、相場という分野に幸福否定理論においての重要な研究対象があるという事がわかってきました。

10年前に自分自身が、幸福否定理論を知っていながら、様々な経験していたにも関わらず、見逃していたのは恥ずかしい限りですが、抵抗を乗り越えていないと、このような事を繰り返します。研究着手が今になってしまったのも、必然的な結果と言えると思います。

さて、私自身の経験も経験し、尚且つ、共通の経験と思われる、トレードそのものや、トレードに関する検証で起こりやすい“幸福否定”を書いてみましたが、症状別に、どのような問題が潜んでいるのかをまとめてみたいと思います。


=自分のやり方を確立できない=

■投資と投機

まず、本題に入る前に、本稿で使っている、投資、投機、トレード、資産運用の用語の説明をに簡単に書いておきたいと思います。身内や、知人、友人の話を聞いているだけでも、自分が投資をやっているのか、投機をやっているのかを理解しないまま株を買ったり売ったりしている人が、非常に多いと考えています。

投資・・・対象(個人、企業、国家の株式市場、セクターなど)に資本を入れる事。利益を狙う目的もあるが、成長を促す事が主な目的となる。そのため、損失が出たり、利益が出なくても、資金を入れ続ける事もある。

投機・・・変動差益(スプレッド)を狙って売買する事。対象の好き嫌いよりも、利益を得るのが主な目的になる。本稿では、短期で行う投機をトレード、長期を資産運用としている。

投資と投機を理解していないと感じる例として、自分が応援したい企業の株を買いたいという話もよく耳にします。

例えば、コカ・コーラが好きだから、コカ・コーラ社の株を買うというのは、考え方としては疑問を持たざるを得ません。米国のコカ・コーラ社は、2000年に約30ドルであったのに対し、現在は50ドル前後で推移していますが、コカ・コーラボトラーズジャパンは、2000年に約3000円前後だった株価が、現在では1500円前後になっています。

個別株を買うのであれば、相手にしているのは、個人投資家のポジションのデータを持っている機関投資家であり、個別の製品の質よりも、どの市場に資本が流れているのか?のほうが重要になります。

もし、個別企業の応援をしたいのであれば、製品を買うか、社債を買った方が直接的な応援になるのではないかと考えています。

トレード、資産運用どちらに置いても、考え方をころころ変えると、損失を出す確率が高くなるので、自分の方向性が投機か投資なのかをはっきりさせる事が、非常に重要な要素となります。

短期で行うトレードであれば、商品や銘柄の好き嫌いは考えずに値幅(スプレッド)が獲りやすいという条件がが最優先されます。長期保有であれば、値上がり益も狙うという意味で、投機的な意味合いを含みながらの投資という事になるので、自分が否定的な考え方を持っている対象だと持ち続ける事が難しくなります。

例えば、仮想通貨に否定的な考えの人が、短期トレードでビットコインを扱うのであれば、好き嫌いは関係ありませんが、ビットコインを資産運用として、長期で保有するとなると、値が上がっても下がっても途中で売ってしまう確率が高くなります。

逆に、仮想通貨が好きで、既存のものよりも、新しい可能性に賭けたいという人であれば、値が下がっても許容範囲内であれば、ビットコインを保有し続ける事ができるでしょう。

ここで、投資対象と投資家の価値観について少し掘り下げてみたいと思います。



=投資家の価値感と投資対象=

短期トレードにおいてはあまり関係がないのですが、長期での資産運用に関して言えば、運用対象と自分の価値観があっているか?が重要になります。

・米国株式のインデックス投資・・・世界中でもっとも強い市場に投資をする。強いものがより強くなっていくという、資本主義や成長に肯定的な価値観があるほうが、下落局面で保有しやすい。

・金投資・・・政府や不換紙幣を信用していない。権力者は、人間が創れないもの、貴金属、エネルギー、土地を奪い合う。コモディティ、不動産の所有は、権力者を信用しておらず、権力より強い対象を所有する事になる。そのため、金、不動産共に、政府の暴力による没収リスクがある。(米国:1933年に6割の価格で政府が没収。1974年まで金の個人保有は犯罪。銀は量が多すぎて保管できないので没収の対象になりにくい。)

・債券投資・・・政府を信頼しており、利率が良くなくても、安定した運用をしたい。リスクを取りたくない。

このような特質があるため、投資関連の本や記事を見ても、体制側の著者は金投資を感情的に否定し、金投資を推奨する著者は、体制側が行う事は全てが陰謀であるような書き方をしています。

私自身は、資本主義は肯定していますが、あくまで最近の傾向として、大企業は何が何でも潰さないという不健全な資本主義や、中央銀行の過剰な信用創造に対する通貨への不信感が強いので、貴金属を中心に保有しています。

また、もう少し整理ができたら改めて書くつもりですが、コロナ渦での相場チャートで、金融セクター、資本財(軍事、輸送)セクター、エネルギーセクターで強い反応が出ました。

いわゆる金融資本、軍事企業、石油メジャーなどが対象になりますが、印象の悪い企業に関し調べるうちに、これらの企業の人類の進歩への寄与も大きい事が理解できるようになりました。

例えば、

・金融資本のグローバル化と共に、貧困が減っている事
・軍事技術の発達と共に、戦死者が大幅に減っている事

などが事実としてあげられます。

データや書籍などで調べる作業を進めるうちに、

・自分の価値観に沿わないものも、良い面、悪い面を客観的に包括的な見方をする
という視点に変化したために、長期の投資対象も変化する事になりました。

一例を挙げると、私は、クリーンエネルギーへの投資をしたいと考えていますが、

クリーンエネルギーのETF(ICLN)のチャートを見ると、過熱気味で値上がり、値下がりの根拠がわかり辛く、個人投資家がカモになりやすい、マクロファンドの影響が強い銘柄のように感じます。

ICLN長期

(新型コロナウイルス蔓延後に暴騰しているが、過去に暴落がある。)

一方で、近年赤字経営が続いていた、20世紀を代表するゼネラルエレクトリック社(GE:創業者、トーマス・エジソン)は、コロナ渦でのコスト削減で、長年の赤字を脱却し、航空事業を抱えながら、再生エネルギー部門で黒字に転じています。

また、同社の原子炉が福島で事故を起こした事もあり、近年の印象が悪いのですが、2000年の10分の1まで下がった株価が上昇に転じたため、11月9日に、マクロファンドの資金が入った後に、数年程度を見据えた、長期保有のために購入しました。

以前であれば、原子炉をつくっている会社への投資は避けていましたが、

・理想的には原発のない世界が望ましいが、現実として存在する原子炉の安全性の向上や賠償金の支払いも必要

・エネルギー問題の最終的解決には、核融合エネルギーが必要

・再生エネルギーが軌道に乗り出している

・赤字体質や訴訟を抱えている事から、凋落企業と判断されており、株価が割安

・判断を間違えた場合、撤退するポイントがはっきりしている

という包括的な判断で、クリーンエネルギーのETF(ICLN)よりも、GEを選択しました。

また、金融セクターで割安感があったシティグループも購入しましたが、こちらは投機的な意味合いが強いので、数日から数か月のスパンでの保有を考えています。(週末の時間外に買われるので、金曜日に買うというパターン)

シティグループ

前稿で、①最低限の知識についての勉強ができない という症状に対して、既存メディアが報道する範囲を超えた社会構造を知る事に抵抗が働くという主旨の内容を書きましたが、それを踏まえた上で、自分はどのような価値観を持って行動するのか?を掘り下げる事に対しても、抵抗が働き、作業を進めようとすると反応が出ます。

この点が、②自分のやり方を確立できない という症状の主な原因だと考えています。

上記は、

・投機か投資か?(どちらの割合が強いか?)
・投資対象の性質
・自分の価値観、姿勢の明確化

に関する内容ですが、

次に、短期トレード、長期の資産運用などの方法と適性に関して検証してみたいと思います。



=トレードの種類と適性=

■短期・デイトレード

手法は様々ありますが、

・非常に高い集中力を要する
・急激な動きに対して慌てない
・報酬に対する考え方が、労働時間ではなく、統計的(リスクリターン)である(この考え方がないと、待つことができない)

という性格的な特徴がないと、利益を上げるのは難しいのではないか?と考えています。
また、10年以上の長期に渡って利益を上げ続けるデイトレーダーの存在は、ほとんど聞いた事がありません。

上述した、成功した著名なデイトレーダーは、金額が大きくなってしまうので、注文しても約定しないという事になってしまいます。現実的には、デイトレードで何年か成功したら、長期投資に変えトレーダーが多いようです。

また、年利30%未満であれば、一日中、チャートを見ている必要があるデイトレードより、数日から数か月で行うトレードに移行したほうが
時間効率は良いという事になります。

個人的には、もっとも夢があるトレードとみなされており、確かに特異な才能があれば短期間で大きな財産を築く事ができますが、資産を築く人は1~2%もおらず、非常に難しいのではないか?と考えています。

レバレッジをかける投資家も多く、例えば100万円が1000万円になったなど、短期的なチャートパターンで利益が上がっても、資金を無くしてしまう投資家が多いという話も非常に多く聞きます。

また、一日に数十分で稼げるという宣伝も目にしますが、注文を出して、買う、売るの時間が数十分でも、買うタイミングが来るまで待つ時間を入れると最低でも数時間、画面に張り付いて何もしないという事になります。

また、米国市場、債券利回り、先物市場、コモディティ(金、原油など)、他の通貨など、自分の取引している通貨ペアや株式が、現在何と相関しているのか?を把握するために、全体的な資金の流れも把握していないと、高勝率をあげる事はできません。

一つのチャートパターンのみでトレードを行っていると、市場の動きと合致する時は良いですが、レンジ相場で損失を出すと考えています。

私の知人の専業トレーダーや、動画配信をしているトレーダーを見ると、起きている時間ほとんどは、頭の中がFXや株の事ばかりで、それが苦痛にならないタイプの人が成功しているように感じます。

私の見解になりますが、数年に渡って利益を出すデイトレーダーが費やす時間は、起きている間は一日中という事になります。


■短期・スイングトレード

数日~数週間で行うトレードをスイングトレードと言います。スイングトレードも、画面に張り付いていなければいけない時間はデイトレードに比べて短いですが、毎日のように、世界的な資金の流れ、つまり

・米国市場
・日本市場(東証とマザーズの比較など)、その他、各国の市場
・債券
・コモディティ
・通貨ペア
・各国のセクター

を観察し、その中でトレンドの発生が遅れている銘柄を狙うという事になります。各国市場20~30、各国債券5~10、コモディティ5~10、通貨ペア5~20、日米のセクター20に加えて先物市場と100近いチャートをを見る事が必要になり、個別銘柄を含めると、200近いチャートを見る事になります。

実際の売買の時間は少ないのですが、経済ニュースや決算を読む時間も含めると、安定した利益を出すには、毎日最低でも、2時間程度の時間は
必要になるのではないか?と考えています。

個人的な見解ですが、30年以上前のように、同業種の二銘柄の価格差や年始と年末の価格差の傾向などの単純な価格差を狙うやり方は、アルゴリズムとマクロファンドが支配する現在のマーケットでは、難しくなっていると考えています。


■長期・バリュー投資

割安で放置されている優良銘柄を買う投資法として、バリュー投資という投資法があります。投資、投機の両方の性質を兼ねている方法ですが、

・PER(1株当たり純利益)
・PBR(株価純資産倍率)

といった指標で、割安株を見つけ、忍耐強く株価が適性値になるまで待つ方法で、世界的に有名な投資家がウォーレン・バフェット氏、日本で有名な投資家として、五味大輔氏や片山晃氏などが挙げられます。(三氏とも、保有銘柄が公開されています。)

この方法も、理に適っているように感じますが、機関投資家が9割以上の売買をする現代では、利益をあげるのは難しいようです。一例を挙げると、何かしらの悪い材料が出て、個人投資家が一斉に売りし走った時に、大口の投資機関が買い上げて、莫大な利益を挙げる事があります。

但し、例えるなら、スポーツや芸能などでも、他のスカウトが見落とす、将来化ける逸材を発掘する優秀なスカウトがいるように、特にヘッジファンドが手をつけない中小企業分野で、金の卵を発掘する慧眼を持った個人投資家が、極少数います。

最近の日本では、ヘッジファンドのアルゴリズムよりも、個人の情報が早いゲーム分野やサービス分野などで、優秀な個人投資家が多いように思いますが、成功している投資家は、直観的に銘柄選択をする能力に加え、株式投資に関してもしっかり勉強しており、保有する能力も特筆すべきものがあります。(ほとんどの個人投資家は、2倍になる前に売ってしまいます。)

これらを踏まえて、自分が投資をやっているのか?投機をやっているのか?考え方に矛盾点はないか?が整理されていないと、スタートラインで既に損失を出す確率が高くなっていると思いますが、実際に、このような状態の人が非常に多いように感じます。

例えば、PERが低い銘柄として、メガバンクや商社などがありますが、基本的に金融セクターは、大幅な伸びが期待できないので、割安に置かれ、配当が高い傾向があります。

しかし、周囲の話を聞いたり、売買代金のランキングを見ていると、投機目的で銘柄を選んでいるにも関わらず、“下がっても配当が高いから安全”という発想で、金融セクターを買っている人が多いように感じます。

若くて元金が少ない個人投資家が、値上がり益目的で配当を保険のように考えて、金融・商社セクターの銘柄を買うのは、選び方が適切ではないという事になります。


=インデックス投資=

株価主要指数に連動するETFを購入し続ける投資法に、インデックス投資法があります。

米国であれば、S&P500(注3)、ナスダック総合指数、ダウ工業株30種平均など、日本であれば、日経平均株価やTOPIXなど、よく使われる指数になります。

インデックス投資で、もっとも一般的なのが、米国株式指数のS&P500に連動するETFで、世界中の個人投資家、機関投資家、年金基金などが購入しています。

これは、本連載の第2回、第3回で書いた信用創造、ドル基軸通貨体制により、覇権国家である米国に資金が集まる仕組みになっている事もあります。

S&P500が、インフレが落ち着いた1980年頃と比較し、約30倍になっている事もあり、『ウォール街のランダムウォーカー』で著名な、バートン・マルキール博士は、1970年に358本あった株式ファンドの中で、2017年まで存続したのは78本にすぎず、過去47年(1970~2017年)の平均リターンが1%以上、S&P500指数を上回ったものは、11本しかないというデータを示しています。(p232)

この事実を考えると、米国が覇権を握っている限り、S&P500に連動するETFを買っておけばよいという事になり、実際に利益が出るのですが、2000年代のように、米国市場が10年以上停滞する事もあります。この頃は、これからは新興国の時代で、米国は衰退するだろうと言われていたので、長期に渡って保有し続けるという事が難しいという点が挙げられます。

S&P500

(1970年代、2000年~12年までの間に保有し続ける事が困難)

また、単純に一つのものを買い続けるという単調さも、難しさの原因になっているので、実行するのは想像以上に難しいという事になります。

以上、簡単にトレード、資産運用にどのようなやり方があるかを書きましたが、自分にあった投資法を選ぶには、

・投機的な側面が強いのか?投資的な側面が強いのか?

をはっきりさせること

・代表的な投資法を知っておく事、また実際にある程度試す事

が必要になってきます。

私の周辺の話に限りますが、デイトレード、スイングトレード、バリュー株投資を1~2冊の本を読んで始めて、損失を出して辞めてしまう人が多い印象があります。

実際に損失を出さないように、自分の適性がわかるまでは「まずはデモ口座から始めましょう」という事は言われているのですが、格闘技をやりたい若者が、自主的に受け身の練習からする事が考えにくいように、デモ口座や少額資金で練習を重ねるという人は少ないようです。

上記の過程を経る事に、強い抵抗が働きますが、その過程を経ていないと

・投資法を次々と変える
・ポジりたい病(ポジポジ病)

条件が揃っていないのに、ポジションを取ってしまい、損失を出す。

という結果になってしまいます。

私自身のやり方がある程度定まったのは、どのような目的で投資をするか?が明確になってからでした。

以下、私自身の例ですが、上述の失敗談を踏まえて、過程を参考にしていただければ幸いです。



=投資目的・手法の明確化=

■自分自身が最も重要視している投資の目的=

①信用創造による不換紙幣(通貨の仕組み)による不公平さ、またインフレなど様々な形による搾取に対抗するために現金を持たない。

つまり、ポートフォリオが“公平さ”を求める内容になっていないと成り立たない。

そのため、

・数年分の生活費を残し、現金をなるべく持たない
(数年分は多いと思うかもしれないが、個人事業主は事業内容が良くても、不測の事態の時に、お金を借りる事が難しい時代であるという事情があるため)

・不換紙幣に対抗するもの、貴金属(場合によっては不動産)が中心となる。貴金属は、通貨発行者がいない、誰でも少額で買えるという点が、公平性の観点から、もっとも重要。

という点が優先される。

したがって、ポートフォリオは、

貴金属(ほとんどが金)50%
株式 30%(ほとんどが世界の時価総額に合わせたETFの購入で、少額で個別株)
仮想通貨 1%
現金19%

に近づけるようにしている。

株式は資産の大きな変動を下げるためのヘッジ。貴金属と逆に動くから保有する。通常のポートフォリオに比べると、株式の割合が低すぎ、金の割合が高すぎるが、

・中央銀行の紙幣の増刷が過剰・・・・・・インフレ、長期のデフレ、スタグフレーション(景気後退での物価上昇)への懸念があるが、どれにも金は強い。
・金が下落する時は、株式市場が堅調(もしくはバブル)な期間だが、本業の収入が上がるため、給与所得者とは全く違う考え方になる。(実際に今年のコロナ渦では、ポートフォリオに金の割合が多かった為、減収のストレスが少なかった。)

という点が、根拠となっている。

②メディアリテラシーの延長線上で、報道されない世の中の仕組みを知るため

中央銀行、マクロファンドが観察対象になる。

■時代の見通し

債務は、戦争、バブル崩壊、インフレによって消滅するが、コロナショックで世界の債務は増加している。緩やかなインフレに失敗しているので、1970年代のような世界的な通貨危機が起こり得る事や、世界中が2000年以降の日本のように長期的なデフレの状態に入る事を想定し、インフレ、デフレ(どちらも現金の価値の下落を引き起こす)のどちらにも強い、貴金属を中心にしたポートフォリオにしている。

株式市場や資本主義を否定しているわけではないが、現状のシステムに無理が生じているとの判断をしている。

投資の目的として、上記の2点がはっきりとしたために、情報の取捨選択が非常にやりやすくなりました。


■自分自身の投資目的に合った手法について

基本的な考え方は、投資目的の

①信用創造による不換紙幣(通貨の仕組み)による不公平さ、またインフレなど様々な形による搾取に対抗するために現金を持たない。

に沿うように、

・貴金属を世界株式でヘッジする

という考え方が中心。

但し、株式に関しては、バンガード社の世界株式(VT)は米国とハイテクのウエイトが大きいため、伝統的な高配当株、中国のETF、インドのETFの割合を大きくする。

また、
②メディアリテラシーの延長線上で、報道されない世の中の仕組みを知るため
という目的のために、少額でセクターや個別株への投資。
前回投稿や、上記、GEやシティグループなど。



■相場に割く時間

チャートのどこを見るか?という点では、

・週末の時間外取引
・月曜日の先物市場で、NY市場が開く前の動き

に絞る。

このやり方であれば、自営業で月曜日が休みである自分に取って、仕事に支障をきたす事なく、余裕をもって資金を動かす事ができ、マクロファンドの動きも見やすいため。

以上が、私自身の投資目的を明確にした上での手法の組み立て方ですが、非常に個人的な理由、価値観を軸に組み立てている事がわかると思います。

逆に、経済成長、ベンチャー企業の成長に賭けたいという考えの人であれば、貴金属は最小限のヘッジにして、株式の割合を多くしないと、自身の考え方と矛盾が出てきてしまいます。

また、自分の投資法を改善させるための検証作業をする度に、いちいち

・異常な眼精疲労と肩凝り
・頭痛
・入眠困難(寝付きが悪くなる)
・検証をやり過ぎると咳やアレルギー(身体が緊張状態になる)

などの反応を経験してきました。

これらの反応の原因については、

・世の中の仕組みを知る

という側面に加え、

・自分自身を知る(できる事よりは、できない事を知る事が圧倒的に多い)

という側面があると推測しています。

昨今、トレーダーのブログやYoutubeの動画コンテンツにおいて、

・手法の確立も含め、トレードは非常に苦しいものであること
・人格的な成長を伴うこと

が証言されているので、資産運用に成功している人や、トレーダーは、大なり小なり、これらの抵抗を乗り越えてきているという事を確信しています。

自分の目的、価値観、生活にあったやり方はどのような方法か?を検証し続けるという過程がないと、どのようなトレード、情報に振り回され続け、

・ポジションを取りすぎる(ポジりたい病、ポジポジ病)

・長期の積み立ては、タイミング売買よりも、配当再投資の複利効果が有利という考え方にも関わらず、数年に一度の15%~20%の暴落、10年に一度の30%~50%の暴落で売却してしまう。

・短期投資(投機)においては、予想通りの値動きをしなければ、損切りをしなければならないのに、 “いつか元に戻る”とポジションを保持する理由がなくなっても、保有し続けて、暴落してしまう。

というトレードを積み重ねる事により、大きな損失を出してしまいます。

以上、②自分のやり方を確立できないという点について、検証してみました。

少し長くなってしまったので、次回、

③自分のやり方を確立しても、その通りに行動できない
④自分のやり方通りにポジションを取っても、精神的に不安定になる。やめてしまう。

という問題について、

・時間に関する考え方
・変動率(リスク許容度)
・共感
・欲

という要素を、心因性症状、異常行動という観点から検証してみたいと思います。

注1:
ETF(上場投資信託)が売買されはじめるのは、規制緩和が行われた2007年以降になります。ある程度の商品が揃って、一般化するのはもっと後になるのですが、周囲の話を聞いている限りでは、未だに個別株売買主体なので、まだ主流にはなっていない印象があります。

注2:また、FXなどで、よく目標とされている一日20pips(1ドル=約108円に対して20銭分)をデイトレードで稼げれば、250日売買したとして、年利約65%になります。この計算だと、10年後には100万円が、約1億5000万円になります。また、一日10pipsでは、年間250日売買したとして、年利約27%、10年で100万円が1000万強になります。

ちなみに投資の神様と言われている、ウォーレン・バフェットの平均リターンは、20%強と言われています。

公開されている資産では、
43歳 3400万ドル
52歳 3億7600万ドル
59歳 38億ドル
72歳 357億ドル
90歳(2020年) 約850億ドル

となっています。

注3:
S&P500(エス アンド ピー ファイブハンドレッド、Standard & Poor’s 500 Stock Index)は、S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスが算出しているアメリカの代表的な株価指数。ニューヨーク証券取引所、NYSE MKT、NASDAQに上場している銘柄から代表的な500銘柄の株価を基に算出される、時価総額加重平均型株価指数である。

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